憧れの、「いつもの」

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実家の近所に、アットホームなレストランがある。
これだけ大手外食チェーンが凌ぎを削ってる中、地域密着型で美味しい手作りハンバーグを出している知る人ぞ知る、レストラン。
でも、料金はちょっとお高め。
うちの両親は、月に2回くらいブチ贅沢としてそこで外食をしている。
いつの間にか、オーダーの際に

「いつものでよろしいですか?」

と聞かれるようになったらしい。
最初は、勿論そのハンバーグが食べたいときに行っていたのでそれで問題はなかった。
でも、このレストランはレストランなので、他にもメニューは沢山ある。

ある時、なんとはなしに父親がいつもと違うメニューを注文した。

すると………

その店員さんの動揺っぷりが半端なかったらしい。
それを見て申し訳なくなったうちの両親は、もうそれからはそのオススメのハンバーグランチ以外は頼まなくなったとのこと。

月に一、二回しかいかない両親のオーダーを覚えてるというのは驚きだが、そのオーダーをニコニコと満面の笑みで期待して待つ店員さんというのもかなり風変わり。

今日もまた、両親はそのレストランへ行ったらしい。
1ヶ月ぶりだ。

「いつものですね!?」

満面の笑みで元気いっぱい迎えてくれた店員さんに、
満面の笑みで首を縦にうなずく以外、両親に選択の余地があろうはずもない。

いつもありがとうございます(笑)

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