言葉のマジック
私は、人の善意や気遣いを素直に受け入れることが難しい人間です。
例えば、私の周りにいる人は私の機嫌が悪い時、イライラしているときや落ち込んでいる時に、「体調のせいだよ」と言ってくれる。
私自身の問題ではなく、体調のせいだと。
最初の頃は、その言葉を聞くことで気持ちが楽になった。
自己嫌悪に陥ることも少なくなって、うまくいかないときは「体調のせいだな」とその不機嫌な自分を受け入れる事ができていた。
でも、人間ってそんなに単純じゃないんですよね。
いつも「体調のせいだよ」と言ってくれていた人の言動が理由で腹が立ち、キーッ!となっていたら、その原因であるその人が
「体調悪いんだね。仕方ないよ」
……と。
ちょっと待って。
それって、よくよく考えると、何か心に問題が起こったとき、それって誰か他の人の言動が原因だとはならないのですね?
傷ついて凹んだり、
思いもよらないことを指摘されて頭にきたり、
心ない言葉を言われて悲しくなったり
それも全て、相手が原因ではなく、私の体調のせいなのですか?
あなたに原因があるとは、微塵も思わないの?
一見、とても優しい言葉のようでいて全くそうではない。
すべて「体調」という名の自分自身の責任だという指摘。結局、全く理解してもらえてないからゆえの言葉だったと気づき、一気に心が離れた。
「ちょっと待って。体調のせいとかじゃなくってさ、それっておかしくない?」
「まあまあ、疲れてるんだね。体調のせいだから。ゆっくり休んで」
はぁ…。
会話にならない。
偽善に感じるのは私だけでしょうか……?